無題
ひとしきり喉を潤したシャンノは、煤でまみれた腕と頭をバシャバシャと洗った。
一息ついたシャンノは、隣に居る少女に初めて気付いたかのように目を瞬かせた。
「えっと、君は誰?」
少女はキョトンとした後
「私、アリエス。お兄ちゃんのお名前も教えて?」
そう言ってアリエスはニカッと笑った。
「僕はシャンノ。アリエスはここにいつから居るの?」
「シャンノと一緒に来たんだよ。覚えてない?」
アリエスの言葉にきょとんとするシャンノが可笑しかったのかアリエスはクスクスと笑った。