【完】結婚させられました!?
何か言い忘れた事でもあったんだろうか
、なんて思いながら振り返ると、その瞬
間、先輩の匂いで満たされ。
視界は真っ白に染まった。
「……っ先輩!?」
その純白が、先輩のシャツで、自分が先
輩に抱き締められているんだと気付いた
のはすぐだった。
こんな廊下のど真ん中で……っ!
多分物凄く注目を集めているにちがいな
いだろうけど、抱き締められていて、周
りが見渡せなくて。
「充電」
やけに甘い声色で、そう囁いた先輩に、
胸がキュンッて小さく音を立てた。
───……気付かなかった。
そんな先輩と大倉が、睨みあっていた事
になんて───……。
◆◆◆
「ったく、見せつけんなよな」