【完】結婚させられました!?
劇は、午後3時頃に始まるから、それま
ではフリー。
軽いリハーサルを済ませてから、私は綺
羅ちゃんの元へと小走りで駆け寄った。
「綺羅ちゃ~ん」
「あ、心優。前よりも演技がマシだった
じゃん」
ニコニコと笑いながらそういってくれた
綺羅ちゃん。
演劇の時の綺羅ちゃんが怖すぎて、皆、
必死に練習したからねー。
……なーんて、恐くてとても綺羅ちゃん
には言えないけど。
ははは、と薄ら笑いを浮かべてから、綺
羅ちゃんを見上げる。
「ねえ綺羅ちゃんっ!先輩の所に一緒に
行かない?」
「え?なんで私が……」
「一人で行きづらいんだもんーっ!」
そう言うと、綺羅ちゃんは申し訳なさそ
うに笑って。