【完】結婚させられました!?
「ごめんね心優。今日は彼氏が来てるか
ら、無理」
「……そっかぁ、彼氏が来てるんじゃ、
しょうがないよね……って、彼氏!?」
驚きながら綺羅ちゃんを見上げれば、な
んでもなさそうに頷いて。
え、軽いノリで言ったけど、初耳ですか
らね!?
話を聞けば、先月告白されたらしく。お
相手は三年生の他校の先輩だとか。
そして綺羅ちゃんは珍しく女の子の顔を
して去っていった。
じゃあ、まあ、一人で行くしかないかあ
、なんて考えていたら。
「───……あ、心優」
不意にそんな声が聞こえてきて、振り向
けば、黒い長袖にジーンズの、ラフな格
好をした音夜君が立っていた。
胸元にキラリと光るクロスのネックレス
がお洒落だ。
「音夜君!」
「その様子だと、劇はまだまだみたいだ
けど」