【完】結婚させられました!?
明日から、夏休み。
そんな実感が湧いてきたのは、翌日の朝
、目が覚めてから。
眩しい陽射しを浴びながら、ベッドから
起き上がり、制服に伸ばしかけた手を、
はたと止めた。
そっか……もう、休みじゃん。
リビングに降りると、ソファーに横にな
って、パジャマのままで心優がすやすや
と眠っていた。
なんでこんなとこでねてんの、コイツ。
はあ、と苦笑いしながらそこに近付き、
無防備な寝顔を晒している心優を見つめ
る。
駄目だ。
これ以上見つめていたら、囚われるから
。逃れられなく、なるから。
透き通るように白い肌。
それによく映える赤い果実のような唇。
長い睫毛。
そのどれもが、どうしようもなく俺を掻
き立てる。