【完】結婚させられました!?
ふぅ、とため息にも似た吐息を漏らす。
触れたくなる衝動を、抑える術がわから
なかった。
近くに居れば、触れたくなる。
その真っ赤な果実に、唇をよせた時。
「ん……先、輩……」
甘い吐息と共に紡がれた可愛い声は、俺
の大嫌いな人物を呼んで。
「クソッ……!」
俺はすぐに心優から離れて、舌打ちした
。
こんな時まで。寝ても覚めても、想うの
はソイツなのか。
お前の心に、俺の存在はどれだけ刻みこ
まれているんだよ。
それとも、存在すらしていない?
眼中にも無いよ、なんて言われたら、一
体どうしたらいいんだろうか。
どんな行動を、とれば。