【完】結婚させられました!?
怪訝そうな表情をする先輩に小さな罪悪
感が募ってきた頃。
「───……まあ、いいけど」
そんな先輩の声が聞こえてきて、顔を上
げた。
「い、いいんですか……!」
「だって都合が悪いんでしょ?んじゃ、
仕方ないだろ。別に心優の家の前じゃな
きゃ駄目なわけじゃないし」
よ、よかったぁ……っ!
結局、待ち合わせ場所は駅前になって、
一息つきながら家に戻った。
「───……ただいまぁ」
お母さま達が居ないってわかってても、
どうしてもそう挨拶しちゃう私。
だけど玄関には音夜君の靴があった。
居るなら挨拶くらいしてくれたっていい
のに。───なんて思っていると。
二階から、音夜君が降りてきて。