【完】結婚させられました!?
「あ、音夜君───……」
そう名前をなんとなく呟いてから、思わ
ず息を止めてしまったのは。
私を見た音夜君の表情がなんとも不機嫌
そうだったから。
拗ねてるとかそんな可愛いもんじゃない
。これは本気で───……。
「心優」
怒って、る?
低く呟くように名前を呼ばれ、ビクッと
肩を震わせてしまう私。
ていうかなんで怒られてるの、私。
「……この家に入ったら、心優は俺のモ
ノだから」
「……へ?」
「アイツの……彼氏の事なんか考えられ
なくしてやるから───……覚悟しろ」
音夜君は吐き捨てるようにそう言うと、
リビングへと消えていき。