【完】結婚させられました!?
あーもー……いちいち可愛すぎなんだっ
てば。
出会ったときはちょっと強気な女の子っ
ぽいと思ってたのに。
こんなに可愛いとこ見せられたら、俺ま
でどうしたらいいのかわかんなくなって
、翻弄されてしまうんだ。
「心優、おいで」
「先、輩……っ!ここ、家の前です…」
「大丈夫、一瞬だから」
まあ、それでおさまればな。
すると一瞬だけ、心優はキョロッと目線
を泳がせてから。
それはそれは恥ずかしそうに近づいてき
て。
そんな心優の頬にそっと手のひらで触れ
たその瞬間───……。
「……心優、遅い」
そんな低い声が聞こえたと思えば、玄関
が荒々しく開けられていた。
そこに立っていたのは、不機嫌そうな男
の姿で。