【完】結婚させられました!?
そう言った瞬間、激しく燃えるような嫉
妬がソイツの瞳を埋め尽くして。
猛犬のような目付きで俺を睨んできたか
ら、思わず心の中で苦笑した。
───……心優、お前、相当気に入られ
てるぞ?
「ざけんな……」
不意に、その男がそう低く呻いて。
「彼氏なんて関係ねぇ……。心優は、俺
のだ」
断言するようにそう言うと、心優を連れ
て消えていった。
その夜、心優からお詫びのメールが来た
けど。
俺の脳内は、あの幼なじみでいっぱいだ
った。
……これで、すっげー冴えない男とかだ
ったら、余裕で打ち負かすのに。
その想いも、決意も。
本物だってわかったから───……。
迂闊に挑発なんか出来なかったんだ。