そんなあなたは先生でした…(下)

舞花side

保健室には先生がいなかった。


「いいってば…」

「待ってて下さい」

私は棚を漁り、絆創膏を採った。

男の子の手を触るなんて、初めてな私は手が震えて上手く貼れない。


「貸してみ」

絆創膏は結局、男の子が自分で貼った。


「あの、本当にごめんなさいっ!!!」

私のせいで痕が残ったら…


「なぁ、“ありがとう”って言ってみろよ」

突然言われた言葉に私は驚いた。


「ほら、ありがとうは?」

「あ、ありがとう……」

「ん、よくできました」


そう言って頭を撫でてくれた。


私には何がなんだかさっぱり。





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