そんなあなたは先生でした…(下)
でも、
何故か怖くなくて、
いつもなら
さっきまでは怖かったのに
この男の子を怖いとは思ってたない自分がいた。
怖いよりも
“恥ずかしい”
という気持ちで顔が火照る。
「じゃぁ、俺帰るわ。
ありがとな、えっと……宇野!」
保健室のドアで振り返って言われた。
宇野……
名前を呼ばれたのは初めてかもしれない。
名字だけど、
私はすごく嬉しかった。
今までは“あいつ”とか“あの人”とかしか言われたことなかったから。