【完】1mの距離
健side


 昨日1日悩んだ末、結局俺はいつも通りを装うことにした。


 本当にそれが、あいつの為になるのかどうかは分からなかったけど、俺が離れていったらこれからずっと、話せなくなる気がして…。


 意を決してチャイムを押しても、なかなか出て来ない美佳。
 
 
 もう、行ってしまったのか。と諦めそうになったとき、やっと美佳が出てきた。


 自然に顔がほころびそうになる。


 「どんだけ、遅ぇんだよ。遅刻すんぞ。」


 普通なフリして、声をかける。


 
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