恋愛指導は秘密のくちづけで
あわててカバンの中からメガネを取り出す。


メガネをかければ、今さっきのことなんて忘れてしまう。


透明なプラスチックレンズから通す景色にほっとしながらも、頭の片隅には資料室であった出来事の断片を思い返してしまう。


考えれば、考えるほど、通行人にのぞき見られているようで恥ずかしい。


いつもより、早歩きで家路を急いだ。
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