恋愛指導は秘密のくちづけで
「それは帰ってからでいいや。たまには息抜きしなくっちゃね」


近藤さんはノートパソコンを閉じて、資料のたくさん入ったカバンを手にとる。


「佐伯さん、ちょっと柏葉さん借りるけどいい?」


「浪人生クラスのほうも暇みたいだし、こっちも特に用事はないですからどうぞ」


そういうと佐伯さんはパソコン越しに軽く手を振っていた。


通用口から少し歩いたところに営業車がとまる駐車場に移動した。


少しずつではあるが空気が湿ってきている気がした。


あんなにまぶしかった蒼い空が薄い雲に覆われている。
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