恋愛指導は秘密のくちづけで
「どうして、キスなんてしたのよ」


「したかったからですよ。それだけです」


冷たくいい放った。万里くんの口元がゆるんでいて、いやらしかった。


「柏葉さんだって、したかったんじゃないですか、オレと」


そんなはずはないと口を開こうとしても、言葉が出ない。


下を向いていると、万里くんのかん高い笑い声が非常階段にこだました。


「覚えていないんですか。無理もないですね。いやらしい声をあげて、気をうしなったんですから」
< 159 / 263 >

この作品をシェア

pagetop