恋愛指導は秘密のくちづけで
ロッカーの扉の裏につく、小さな鏡にはうすぼんやりしたわたしの顔が映っていた。


光沢のある黒いワンピースに、白い半そでのカーディガンを羽織る。


何度化粧直しをしたとしても、このうすぼんやりした顔を直すことはできないだろう。


ピンクのグロスを唇に足す。


このあと数時間で塚越先生に唇を奪われてしまうんだろうか。


ぐっと心がきしむような音がした。


携帯電話の表示画面を見る。未読メールすら表示されていなかった。
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