溺愛マリオネット

「分かるよ・・・・だって16年間育ててもらったもん…」

私の父親は、正幸。
それは当たり前だ、ほんの前まで一緒に暮らしてたんだから。


「あの後、沙織里さんのお腹には赤ちゃんが出来たそうだよ…俺の後にお前が生まれたんだよ」


全てを理解した時お前は両親を憎むなよって冬馬さんは言ってた。

「沙織里さんは祖父に婚約相手を代えてほしいとせがんだそうだ…正幸さんに代えてほしいと…」

これを知った今憎まない人は世の中に居るのかな。


「祖父は利益が入るなら誰でもいいと言って婚約相手を代えさせたらしい、俺と父親は隠された存在になったよ…だから祖父は言った・・・可哀想だから叶えられることはしてあげると…」

この家も祖父が建てみたいなもんだよ…と渇いた笑みを溢す彼。
< 123 / 130 >

この作品をシェア

pagetop