天使な悪魔

「七瀬ってば、もう新しい彼氏作ったの？」


広江の突拍子過ぎる発言にジュースを詰まらせ、思わず噎せてしまう。



「何の話？」


「朝話してた彼に決まってるでしょ？凄く親しげだったけど。」



雫さんと？誰が仲良くなんか…！
女の人に慣れてる感じがどうも好感を持てない。



だけど、助けてくれたんだよね。未だちゃんと御礼言ってないや。
それに・・・さっき謝ろうとしてたのに席離れちゃったし次々オーダーが来て、落ち着いた頃には雫さんは居なくなってた。



「あれは、その…知り合いの知り合いなだけ。」


「本当？何か鶫さんと似た感じがあったけど。」



頬杖をつく広江。


同じこと感じてたんだね。私も確かに思ってた。何処となく似てる。





今日のスタッフルームは人が居るのにも関わらず、静まり返っている。


「今度は真面目な人見付けなよ、ちゃんと。」


広江が心底心配してくれているのが分かる。


「ありがとう。」