俺が彼女を抱けない理由
「結城くんっ!」
後ろからの夕実ちゃんの言葉にドキッとする。
「えっ?」
「葵ちゃんの事好き?」
「何いきなり。。」
「拓、答えた方がいいぞ」
瞬があおる
「好きだよ」
「じゃあ沙希は?」
「えっ?」
「なんでそこですぐに返事がないわけ?」
夕実ちゃんのきつい口調に俺はアクセルを踏み外しそうになる。
「沙希は祐ちゃんの彼女だよ?」
「なにそれ。。。」
そのまま車内は沈黙が続いた。
「なぁ拓?」
「ん?」
「俺、お前に葵ちゃん傷つけるような事するなって言ったよな?」
「あぁ」
「香川はお前の兄貴の彼女、そんな事は分かってる。
そんな事聞いてるんじゃない。お前まだ香川が好きなの?」
「。。。」
「好きなの?」
二人からの質問に答える事ができない。
「俺、沙希の事16の時好きになってずっと片思いでさ。」
「うん」
「あいつの隣には常に違う男がいてさ、それでもずっと好きだった」
「。。。」
「こんなにも人を好きになる事はもうないって思ってた。
沙希の事は今でも好きだよ。それは否定できない。
でもそれは女としてじゃない。友達として、仲間としてだから」