俺が彼女を抱けない理由
その日の夕方兄貴と沙希が帰国した。
「拓!!」
病院の待合室に沙希の声が響く。
「沙希。。。」
「葵は?」
「。。。」
「大丈夫なんだよね?」
「。。。。」
「拓!!」
「まだ分からないんだ。。」
「拓大丈夫か?話は親父に聞いた」
「あぁ」
「お前少し寝たほうがいい。俺達がいるから休め」
「。。いや」
それでも体も限界で少し車の中で休むことにした。
いつの間にか外には雪が積もっていて俺の足の型でいっぱいになる。
親父の車の助手席のシートを倒して体を休める。
目をつぶっても泣いてる葵の顔しか出てこない。
今日は母親の一周忌。
一年前の今日母親が亡くなったことを俺は葵に言わなかった。
三浦のお墓で沙希に会った事も。。
高校を辞めた理由も。。
そして葵が抱けない理由も。。
俺の事信じられなくて当たり前だよな。
全部話すから。
もう何も隠さないから。
だから目を開けてくれよ。。