海底の王国〈外伝〉
「感謝します…」

三人とあまり年が違わないロランは、牢から出るとていねいにお礼を言った。

「…ロラン様まで牢屋に入れるなんてヒドイわねぇ、実の弟なのに…」

ミカサが同情して、ロランに話しかけた。

「いいえ…私の力不足で、こんな事態になってしまって申し訳ありません…」

「事情は分かったわ、ロラン様…人手は一人でも多い方が助かります…!」

フレイヤはそう言うと、ロランの手を固く握りしめた。

「…ここには、王に逆らったばかりに、投獄された人がたくさんいます…国民に影響力のある方々なので、避難の誘導の助けになると思います…」

「そちらは、お任せしたわ!じゃあ、また後で会いましょう!」

「はい、どうかご無事で…神のご加護を…」

ロランは胸の前で、神への祈りの印を結んだ。

「ロラン様も!ミカサ、そっちは頼んだわよ!」

「フレイヤもね!健闘を祈るわ…レンリ、フレイヤを頼んだわよ?」
「了解!健闘を祈るよ…」

そう言って四人は、それぞれの役目を果たすために走り出した。
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