ベストマリアージュ
エレベーターを待つ間、これからのことを考えた。


大地にフラれて可哀想だから付き合ってくれてたなら、ちゃんと別れなきゃいけない。


これ以上、迷惑かけたくないし、さとしに好きな人がいたら申し訳ないもの。


チンと音がしてエレベーターの扉が開いた。


乗り込もうとして降りる人がいるのに気づく。


「あ、すみません」


横にずれてその人が降りるのを待っていると、通りすぎ様にガシッと腕を掴まれた。


「ひゃっ……!」


咄嗟に見上げると、知らない男の人。


短髪の黒髪に、二重の目もと。


背は170㎝くらい?


黒の上下がさらに彼を細く見せてるような気がした。


イケメンて言っていいくらい、カッコいい人だ。

「あ……あの、何か?」


恐る恐る聞いてみる。


「あんた、泣いてんの?」


顔をまじまじと見てくるけど、掴んだ腕は離してくれない。


どっかで聞いた声。


泣いてると言われて咄嗟に顔を隠したけれど、思わず見上げて彼の顔を見る。


「え!えぇー!優也……さん?」


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