ベストマリアージュ
「うん、決まったよ?

珠美ちゃんは?決まった?」


「え……と、あ……まだ、です」


もう一度メニューに目を戻すけど、写真のついてない文字だけのものは、私にはよくわからない。


この一番安いやつにしようか?とかいろいろ考えてると、優也がフッと笑って店員を呼び寄せた。


「あ、あの、私まだ決まってない……」


「わかんないんでしょ?
俺と同じのにしとけば?」


で、でも、私あんまりお金持ってないし……と喉まで出かかって口をつぐんだ。


いざとなればカードだってあるわけだし、あんまりみっともないとこを見せたくもない。


優也はそんな私を知ってか知らずかニヤッと笑いながら、余裕の態度で注文し始めた。


なんかやっぱりこの人のペースに乗せられてる気がする。


店員が丁寧にお辞儀してテーブルから離れると、優也はまた私の顔をじっと見てきた。


「な、なんですか?」


「んー?なぁんか今日の珠美ちゃん、可愛いなと思って」


クスッと笑う顔は、好きじゃなくてもドキッとするほどにはかっこよくて、私はまた慌てて目をそらした。


< 216 / 307 >

この作品をシェア

pagetop