ベストマリアージュ
「ねぇ、さとし、ずいぶん遅いと思わない?」


はぁ?言われなくてもわかってんですけど!


もしかして、不安にさせようとしてる?


その手には乗るもんか!


「そうですね?

でも仕事なんで、仕方ないです」


「ふぅん、ずいぶん理解あるんだ?」


なんなんだ?この含み笑いは!


まさか……なんかあるの?


「どういう意味ですか?」


「だってさ、せっかくの珠美ちゃんの誕生日だっていうのに、閉店ギリギリに来た客とるとかありえないでしょ?」


「そう思うなら、優也さんが変わってくれたら良かったじゃないですか」

精一杯強がって見せたけど、内心は怖かった。


優也の目的が、やっぱりただ私と食事しに来たんじゃないってことがはっきりしたから。


「もちろん、俺だってそうしたかったけど、そう出来ない事情があったんだよ」


ゴクリと唾を呑み込む。


そう出来ない事情?


じゃあさとしは、あえて引き受けたってこと?


どんどん不安になる私に、優也はどこか嬉しそうに、聞きたい?と尋ねた。


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