君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

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・・・パタン


ルイスが扉を閉めた音を聞いてから、結界を張り終えた俺はソファーに凭れて目を閉じた。

フローラは今、湯浴みをしているから暫くは出て来ないだろう。

これからの城の警備や密偵の洗い出し、闇魔法の術者との戦いに備えて戦力を整えておかなければならない。

そんな事を頭の中で考えていたら、この部屋がある5階の廊下に張ってあった結界の一つが反応し出した。


・・・ヴゥ---・・ン


---誰だ?


・・・ドンドン


「王子っ!俺だよ、開けてくれっ!」


---ヴァイスか?


「何だ」


扉を開けずに返事をすれば


「ニコルを連れて来た!」


「あ?」


---何でニコルを此処に連れて来るんだ


「姫さんの事だから、王子の部屋じゃないと・・・」


フローラの事?


「待ってろ」


ヴァイスに告げてから扉を離れて部屋の奥にある浴場に向かう。

脱衣所のドアを開ければ、ふんわりと鼻を擽るいい香りが漂ってくる。


・・・コンコン


「フローラ」


湯浴みをしているであろうフローラに声を掛ければ


「わっ!ロック?どうしたの?」


パシャンという水の音と慌てたような返事が返ってきた。








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