君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「今、ヴァイスとニコルが部屋に入って来るからこっちの部屋には入って来るなよ?」
「え?ヴァイス様とニコル様が?」
「あぁ。念の為に浴場と隣の部屋には強力な結界を張っておくから、俺が来るまで待っててくれ」
「うん、わかった」
返事を聞いた俺は脱衣所から出てドアを閉めると、この部屋と浴場に結界を張る魔法をかけた。
・・・ヴゥー---ン
『我が手に宿りし力 魔法陣より出でて 扉を封ずる強力な鍵となれ』
魔法陣からは細い光が発されヒュルヒュルとドアへと伸びていく。
光がドアに届くとカチリという音がした後に、結界を張るべく部屋全体を覆っていく。
これで誰もこの部屋に入ってくる事はない。
安心した俺は部屋の入り口で待っているヴァイスのもとへ戻って扉を開けた。
そこに立っていたのはヴァイスと今、最もフローラに会わせたくない男。
「入れ」
返事を待たずに踵を返してソファーへ向かう。
俺が腰を掛けたのを確認して、向かいの席にニコルとヴァイスも腰を下ろす。
「あれ?姫さんは?」
キョロキョロとフローラを探すヴァイスに
「今、湯浴みをしている」と言えば
「本当に一緒の部屋で暮らしているんだねぇ」
と驚いたニコルの顔。
「何だ」
「兄さんは一生、女性に関心を持つ事は無いと思っていたから今の状況に驚いているんだよ」
皆、同じ事を言いやがる・・・。
「で、フローラの事で話とは何だ」