君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)



去年までの事を考えても、露出の多い衣装に違いなくて。

怒り狂う王子が想像できて怖ぇよ・・・


「お前、姫さんが終わるまで王子を引き止めておけよ」


巫女の衣装を着た姫さんを見なければ王子の怒りも少ない筈。


「えぇー?嫌だよ。バレたら僕が兄さんに殺される」


「じゃあ、最初から姫さんに巫女なんて勧めるなよ!」


苦笑いを浮かべるニコルに呆れていれば、パール嬢の部屋の前。


・・・コンコン


「はい」と言う声と共に扉が開けば、中から出てきたのは以前、姫さんの侍女をしていたアリスだった。


「ロック様、お待ちしておりました」


王子に深々とお辞儀をすると


「アリス!」


姫さんが声を掛けた。


「お久しぶりです、フローラ様!」


にこりと笑顔を浮かべて姫さんを迎え入れた。


「じゃあ、行って来るね」


笑顔で手を振る姫さんに


「あぁ」


返事をした王子。


「試着が終わりましたら、お部屋までお連れしますので」


姫さんが部屋の中に入って行くと


「では、失礼致します」


アリスの言葉と共に、そのまま扉は硬く閉じられた・・・





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