温め直したら、甘くなりました

その人は、集の担当編集の安西さんという男の人だった。

背が高くて、がっしりした体つき。健康的に日焼けしたその姿は編集者というより何かのスポーツ選手のように見えた。



「――――えっ!結婚!?」


「そう、だからしばらく休ませてくれ」


「馬鹿言わないで下さい。先生に原稿をもらうまでは帰ってくるなと編集長に言われてるんですから……」


「編集長公認で会社に行かなくていいなんて幸せじゃないか。俺なんかに構ってないで休日を謳歌すればいい」


「はぁ……あなたって人は」



頭を抱える安西さんと、不機嫌そうな集。

二人にとりあえずほうじ茶を入れて出すと、それに口をつけた安西さんが言う。



「……美味い。こんなに美味しいお茶を入れられる美人がなんで先生なんか……」


「安西、お前は喧嘩を売っているのか」


「素朴な疑問です。先生の担当になって二年になりますけど、俺には優しさの欠片も見せてくれないじゃないですか」



安西さんは口を尖らせてそう言った。

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