温め直したら、甘くなりました

「な……っ!茜、なにを……」



俺が叫ぶと、茜が男を上目づかいに見た。



「聖司……離れて。ちょっと面倒なことになりそうだから」


「面倒なこと……?」



そう言いつつ男は最後にもう一度ちゅっと音を立てて茜にキスをした。そして俺の方を見ると、驚いて目を丸くする。


驚いてるのはこっちだ!


男を睨む俺の元に小走りで近づいてきた茜が、迷惑そうな顔で俺を見る。



「来るときは裏から入ってっていつも言ってるでしょ。で……一体何の用?」


「何の用って……その前に俺に説明するべきことがあるだろ!そいつは誰で、なんでキ、キ、キスなんて……っ」



俺は震える手で男を指さした。

顔はまあまあ、さわやか系とでも言えばいいのだろうか。俺よりも頭一つ分背が高く、清潔感のある短めの黒髪を立てているそいつは悪びれもせずに言う。



「今のは俺が強引にしたことなので、茜は悪くありません。
俺はここから2ブロック離れたところにある八百屋を経営している片山聖司と申します。茜とは幼なじみで、でも俺はその関係を飛び越えたいと思っています」



……なんて直球な男なんだ。俺が女ならコロリと落ちそうだ……ってだめだろ!こいつは敵だ!


でも待てよ、八百屋の幼なじみってどこかで聞いたような……

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