キミとの恋に気づいたとき
『おい』


 何を言うにも命令、上から口調、上から目線。


『おい、』


 口は悪いし、文句ばかり言ってくる。


『篠原 千和(しのはら ちわ)』

「なんです、うるさいな」

『喉が渇いた』

「・・・」


 おまけにどの感情も共有しているようで、自分の身体が自分のモノではないようにも思えた。
 
 病院で分かったことだが、注射の痛みも、空腹も、味覚、嗅覚さえも共有。


『早く飲め、炭酸がいい』

「・・・早く元に戻りたい」


 そう、切実に願う毎日だった。
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