キミとの恋に気づいたとき

2day



 事故から五日経ち、精密検査も問題なく無事に退院した私は自宅へと戻ってきた。
 退院したのが金曜だったため学校へは月曜から行くことになっていた。


「じゃあ、母さん会社行ってくるから」

「うん、いってらっしゃい」


 仕事へ出かけた母を見送り、荷物を部屋へ片づけに行く。
 そのまま自分のベッドへ勢いをつけて座り、大きく伸びをし帰ってきたんだと実感していた。


『・・・色気のない部屋だな』


 どこからともなく聞こえてくる憎たらしい声。


「・・・今、やっとホッとできたところなんですけど。邪魔しないでもらえません?」

『ぬいぐるみって。お前いくつなんだよ』

「・・・」


 うるさいなー、関係ないでしょうよ!!と声には出さなくても『ガキだっていうんだ』と突っかかってくる。

 口に出したことも、思ったことも「この人」には筒抜けで気が休まる時が一時もなかった。
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