キミとの恋に気づいたとき
 もう、昨日のことらしい。
 
 珍しく寝坊してしまった昨日、急いで学校へ行きたい私を待っていたのは通勤ラッシュだった。


「んもーー!!だから電車は嫌いなんだ」


 たった一駅乗ればいいだけなのだが、この時間帯の電車は満員。
 自転車にしておけばよかったと後悔しながら電車を降り跨線橋を渡っていた。

 バタバタと人が行きかう波に乗っていたが、急に前を行く人が止まってしまい・・・


「ひゃっ!!?」


 そのまま階段を踏み外し、落ちてしまった・・・らしい。

 「らしい」というのは階段を踏み外してから危険を感じプツリと記憶が途切れてしまっているから。
 
 でも微かに覚えていることがある・・・落ちる瞬間、誰かに支えらていたような。
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