二面相
「お前は 昔の男 で済むかもしれないが、大樹にとっては 父親なんだ。なあ、大樹」


大樹は 戸惑っているようだった。


「大樹の 父親はなあ、おじさんなんかより、よっぽど 野球がうまくて、社会人野球やら 大学やらあちこちから スカウトが来てるような すごいヤツだったんだ」



「ほんと!?」



息子は野球がしたい、キャッチボールがしたい。と 目を輝かせて兄に話していた。


「今度、おじさんとキャッチボール、やるか」




「うん!やろう」


きっと、息子の描いていた父親像と兄の話がピッタリあっていたのだ。


柏木とはまるで逆の姿が、息子の理想の父親なら 大地は どうか昔のままで 変わらないで いてほしいと 思うばかりだった。
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