Night sky**
背を向けて
立ち去ろうとした。
そのとき
シャラッと心地良い音がした。
「…え?」
この音。
伊吹からもらった、
キーホルダーと同じ。
あたしはキーホルダーを
家に置いてきたから
今ここで鳴るはずがない。
「伊吹?
…いるの?」
そんな、
伊吹がいるはずない。
でも、この音は。
「…ごめん。
全部聞いてた。」
お墓の裏から
申し訳なさそうに
背の高い男の人が現れた。
「え…」
少し伊吹に
雰囲気が似てるけど、
でも伊吹じゃない。
伊吹は黒髪短髪だけど
この人は赤髪がかった茶色。
それに短髪ではない。
「…夜空、だっけ。」
少しハスキーな声色。
グレーがかった瞳。
何故だか惹きこまれる。
目を離せない。
そう思った。