True Love
「でも料理上手って、高野さんのイメージにぴったりな感じだね」

「上手かどうかはわからないけど…」

「ほんとイメージ通りな感じだよ。それに高野さんって、しっかりしてるし。なんでもきちっとやりそう」

「…そうかな?ありがとう」

佐野くんは褒め言葉で言ってくれてるのはわかる。

だけど、ちょっとだけ素直に喜べなかった。

私は…佐野くんが思うほど、そんなにしっかりしていないと思う。

心のどこかで、誰かに頼りたい、甘えたい…そんなふうに思う時だって、あるから。


「だけど…どっか頼りない感じで、守ってあげたくなる」

「えっ…」

いつもの余裕の笑み。
瞳をじっと見つめられ、一瞬で頬が燃え上がるように熱くなった。

恥ずかしくなった私は、箒を手に持ち、くるりと向きを変えた。
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