True Love
次の日。放課後。
掃除当番、最後の日。


図書室にはまだ佐野くんの姿はない。

来てくれるだろうか…?
来てほしいな…。


そう願いながら、私は掃除を始めた。

気になって何度も扉に目を向けるも、扉は中々開かない。


今日は…来ないのかもしれない。
そう思ったら、泣きそうになった。

教室でだって毎日会える。
だけど、ここでの時間はとても大切だったから…。


悲しくて、俯きかけたその時だった。
突然扉がガラリと開く。

視線を向けると、そこには佐野くんがいた。


…!

驚きと嬉しさで涙腺が緩む。込み上げてくる涙をぐっと堪えた。


「高野さん?」

「…来てくれたんだね。今日はもう来ないと思ってたよ」

泣きそうになってるのを悟られないように、頑張って普通の声を出す。


すると、佐野くんは何も答えず、じっと私の瞳を見つめてきた。

ドキリと胸が跳ねる。
恥ずかしくて、咄嗟に目をそらした。

ゆっくりとこちらに近付いてくる佐野くん。


何…?

ドキドキと鼓動が激しくなる。
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