【完】うしろの席のオオカミさん
だってわたしみたいなおとなしい女子を好きになるわけがない。
もっとこう……キャピキャピしててめちゃくちゃ可愛い子しか好きにならなそう。
男はみんな顔で選ぶんだよ、どうせ。
「なぁなぁ、ルーズリーフある?」
席に戻るとまた後ろから声がかけられる。
……うん。たしかに前よりも話す回数は多くなった。
多くなったけど、仲良くなってはないと思う。
「一枚でいい?」
「サンキュ」
時折見せる笑顔。
大上くんは笑うと可愛い、とどこかのクラスの女子が言っていた。