神様が泣いたあと


そんなあたしを見て翼君は力なくフワリと笑ってみせた。

「……ありがと」


そして膝に顔を埋めて小さくコエをこぼし始めた。



「もし俺が女の子だったら、哲は俺の手を離さなかったのかな……?」




そう呟いた小さな声にあたしの心は突き破られそうになる。

翼君の果てない苦しみを目の当たりにしたようで、目眩がした。



「そう考えると、怖いんだ。怖くてたまらなくなる……」




掠れた声で一生懸命言葉を紡ぐ翼君の今にも崩れ落ちそうな姿を、力一杯抱きしめた。

彼を傷つける全てのモノから守りたいと想った。

情けないほど弱いけれど、持っている力のすべてで翼君を守るとこのとき誓った。



誰かをすきでいることは

こんなにも苦しくて

こんなにも愛おしい。


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