【続】隣の家の四兄弟
「……お待たせ。なに食べる?」
「んーゴハンとミソシル?」
「え?そういうのでいいの?意外」
「ぼくはそばも天ぷらもミソシルも好きだよ」
へぇ。やっぱり生い立ちに関係してるのかな?
そこまで考えて、昨日のことをまた思い出してしまった。
アキラのことを。
「ぼくも手伝う」
ふわりと爽やかな香りと共に、いつの間にかキッチンに入って横に並ぶチハルが言った。
ハッとして見上げると、満面の笑顔。
「でっ、出来るの?!チハルが料理なんて!」
その眩しいくらいの笑顔に、つい顔を逸らしてきつい口調で返してしまう。
でも、チハルはやっぱり無自覚だったようで、「ひどい」なんてぶつぶつ言っていた。