【続】隣の家の四兄弟
三那斗に抗議する私の横から割って入ってきたのはチハル。
うるうるとした瞳で私を見てこんなことをいう。
「ぼくだって、一応男なのに、そんな簡単に即答されると傷つくー」
「いっ、いやいやいや!なに言ってんのチハルまで!ちょっと話がややこしくなるからやめっ……」
「あぁん?ってことは、チハル!てめぇも美佳のことが……?!」
三那斗もまたわけわかんないことを重ねて言って、ランチどころじゃないでしょ!この状況!
「ミナトはわかりやすいからねー。さすがにミカ本人も気付くよねぇ。でも、報われないんだよねぇ」
「う、うるせぇ!」
「ミナトは〝空気読めない〟って言われない?」
「やかましい!大きなお世話だっ。それにチハルに言われたくないっつーの!」
せっかく閑静な公園内でゆっくりご飯を……と思ってたのに、このたった二人の存在だけで台無し……。
「はぁ」と溜め息をついて、二人の会話をややしばらく黙って眺める。
会話が落ち着いた頃に、口を挟めばいいかと思えば、まー全然話が途切れる様子がなくて。
「……ストップ!もうそれ以上は家帰ってからー!!」
結局、ケンカ……というより、じゃれ合う背の高い二人に挟まれながら間に入る。
「えー。ミカ、帰るの?」
「だって、三那斗、先に帰るつもりないでしょ?たぶん」
「ランニングも終わったしな!美佳とチハルをふたりきりにさせる義理なんてねぇし!」
「だったらもう騒がしいし、恥ずかしいから帰る!」
私が言い切ると、チハルは仕方なさそうに手に袋を提げたまま身を翻す。
その様子にホッと息をつき、続いて私と三那斗が歩いて行った。