【続】隣の家の四兄弟
「……あなたがセイジの恋人だなんて」
別に隠してたわけじゃない。
でも、アキラにそのことを言いたかったわけでもない。
それは、今目の前にいるアキラをどこかで想像していたから――。
「なんのジョウダンかと思ったくらいよ」
ニコリと口元は笑ってる。
でも、目が……笑ってるようには思えない。
そりゃそうだよ。
誰がどう見ても、アキラの中で聖二は特別な存在だってわかるもん。
それが〝好き〟とかそういうものかどうかっていうのは定かじゃなくても、〝お気に〟には間違いなかったわけだから。
だからきっと、こんなちんちくりんな私が聖二の彼女だっていうんだから、アキラも正直面白くないんだろう。
「それとも、やっぱりサプライズなのかしら?」
今度は口調は柔らかいのに、アキラを纏うオーラの威圧感がすごい。
『違います』って言葉を待っているのかもしれない。
でも……。
なにから口にすればいいのかわからなくて、黙りこくる私に少し苛立ったのか。
アキラは右手で髪を掻き上げるようにしながら目を伏せる。
そして、その目を開けた瞬間に、鋭い視線で私を射抜く。
「セイジを返して」
「……えっ……?」