【続】隣の家の四兄弟
聖二に会いにきたの……?
まぁ、それがごく自然な理由だとは思うけど……。
まさか、まだやっぱり諦めきれないとか?!
嫌な予感が過る。
だって、やっぱりこんな綺麗な人目の当たりにして、「諦めない」って宣言されたらやっぱり堪えちゃいそうで。
でも、だからって遠慮なんかしてられない。
グッと手に力を込め、どうにかアキラから視線をそらさないように頑張って彼女を真っ直ぐと見つめる。
すると、アキラの目は、思ってたような厳しい目つきではなくて。
「……そう。それじゃ仕方ないわね。じゃあミカの家にお邪魔してもいいかしら」
「えっ?う、うち……?」
な、なんで、うち?!
正直アキラとふたりきりでなんて怖い。
でも、断る理由もないし、ここで逃げたらダメだとも思う。
「だ、大丈夫ですけど……」
そう思って、どうにか声を絞り出して言ったけど……本当、大丈夫?私!
不安な顔色を読み取ったんだろう。
孝四郎くんがボソッと小声で言った。
「大丈夫?僕も一緒にいこうか?」
心配してくれるのはうれしいしありがたいけど、ちょっと自分が情けない。
私は孝四郎くんを見ると、無言で小さく首を横に振った。
一歩前に出て、鍵を取り出すとドアノブに手を添える。
二人に気付かれないくらいの深呼吸を一度してから、ガチャリとドアを開けアキラを見た。
「どうぞ」
私が言うと、アキラは無言で玄関に入る。
それに続いて私も入ると、静かにドアが閉まった。