【続】隣の家の四兄弟
―――あ、聖二、もう水がない。
たまたまそう気が付いて、きゅっと蛇口を捻って水を止めると、何も言わずに私はペットボトルでグラスに注ぎに行った。
無言でこうしてる私たちって、傍から見たらどうなんだろう…。
まるで喧嘩してるかのように思われないかな?
でもでも、みんなは聖二と兄弟な訳だから、これが当たり前ってわかってるかな。
それにしても、寝起きだからか…。全く聖二が声を発さないからこんなこと考えちゃうのに!
聖二にそんな念を送ったところで届くわけもなく。
私は隣に座る浩一さんに声を掛ける。
「あ、浩一さんも…」
「ああ。ありがとう。おれはまだ入ってるから」
そーよ。
「ありがとう」くらい、言ってくれてもいいじゃない。
聖二の態度と浩一さんの反応が天と地ほどの差でそんなことを思ってしまう。
誰にも気づかれないくらいの溜め息を漏らして、私がその水をキッチンに戻しに行った時に三那斗が言った。
「あー…イラっとする」
―――へ?
なに?私に?
三那斗も水、飲みたかったのかな…。
だってもう食事終わってたからいいかと思って。
「な、なに?水、三那斗も欲しかった?」
戻りかけてた体を逸らしてペットボトルを見せるように三那斗に聞いた。
「―――違う」
「…え?じゃあ、なに――」
「聖二兄」
『聖二兄』??
聖二が三那斗になんかした?