【続】隣の家の四兄弟
「…と、聖二は―――」
「起きてる」
浩一さんが私が遮ってるソファを覗くようにして言うと、背後から聖二の返事が聞こえてきた。
「聖二も食べたのか?」
「―――いや」
「だって、ほんと今さっきだよー起きたの」
キッチンで手を洗いながら浩一さんが問い掛ける。
それに代わって答えたのは孝四郎くんだ。
「あ、いい匂いしたとおり、美味しそうだ」
キッチンから浩一さんがお皿を手にしてにこりと私に微笑んだ。
その笑顔が!
その言葉が!
それだけでとっても癒しになるんです、浩一さん!
私が心を浄化させてると、浩一さんが手早く準備をしながら言う。
「聖二も一緒に頂くか?」
「ん…」
「まだ温かいからすぐ食べれる感じだ」
そうして浩一さんが聖二の分とテーブルへとお皿を持ってきた。
浩一さんが椅子に座ると、聖二もふらりとソファから立って隣に座った。
私はなんとなくその場に一緒に座るのが気恥かしくて、そのまま孝四郎くんと三那斗の空いたお皿をキッチンに運んで片づけ始めた。
「あ、そのままでいいよ!おれあとでまとめて洗うから」
「いえ!お仕事後ですし、このくらい大丈夫です」
本当に、本当に優しいんだから。
照れを隠すように、懸命にお皿に向き合ってスポンジを泡立たせてごしごしと洗う。
ちらっと対面キッチンから聖二の様子を窺うけど、その間、聖二は黙々とパスタを口に運ぶだけで。
でも、とりあえず食べてくれてるから、マズくはないんだと胸を撫で下ろす。