製菓男子。
ひとりでも味方になっていたら、学校に行っていたかもしれない。
一緒に新学年を迎えられたのかもしれない。
そう嘆くツバサくんに兄は「違うだろ」ときっぱり言い放った。
「きっかけはそうだったかもしれない。けど、前提が違う」
「どうしてですか?」
「いじめはする側が圧倒的にわるい。まずそれが前提だろーが。おまえひとりが背負うことじゃない」
「そうかもしれないけど、そう思ってしまったら放っておけなかった」
「だから会いに行くことにしたんです」とツバサくんは続けた。
「リコは引きこもりになったんです。同級生が恐くて、助けてくれなかった先生も恐くて、人が恐くなった」
その話を聞いた兄は勝ち誇ったように鼻で笑う、「まだまだ青い」と。
わたしはいじめに関してはリコちゃんよりも年期が入っているし、同じように引きこもりにもなっていた。
その上ニートだったという、救えない過去がある。
(それはわたしであって、兄さんじゃないし)
その上威張れることでは決してない。
一緒に新学年を迎えられたのかもしれない。
そう嘆くツバサくんに兄は「違うだろ」ときっぱり言い放った。
「きっかけはそうだったかもしれない。けど、前提が違う」
「どうしてですか?」
「いじめはする側が圧倒的にわるい。まずそれが前提だろーが。おまえひとりが背負うことじゃない」
「そうかもしれないけど、そう思ってしまったら放っておけなかった」
「だから会いに行くことにしたんです」とツバサくんは続けた。
「リコは引きこもりになったんです。同級生が恐くて、助けてくれなかった先生も恐くて、人が恐くなった」
その話を聞いた兄は勝ち誇ったように鼻で笑う、「まだまだ青い」と。
わたしはいじめに関してはリコちゃんよりも年期が入っているし、同じように引きこもりにもなっていた。
その上ニートだったという、救えない過去がある。
(それはわたしであって、兄さんじゃないし)
その上威張れることでは決してない。