製菓男子。
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藤波さんが家から持ってきたのはホットケーキミックスとイチゴジャム、そして菜種油だ。
その三つの材料を計量し、ボールに入れた。
その動作は手馴れていて、普段から作っている様子が窺える。


「ジャムは手作りだったりするの?」


ミツキの質問に藤波さんは両手でボールを押さえながら頷いた。
少年がそのボールの中で粘土遊びをするように材料をこねている。



「畑でイチゴ作ってたよね? それで?」
「うちのだけじゃ、足りないので―――」
「スーパーかなにかで買い足したの?」


それにかくんと頷いた。


藤波さんが持ってきたジャムはイチゴが形のまま残っているものだ。
ナパージュを施したもののようにつやつやしていて宝石のようにも見える。
それが少年の手によって砕かれ、生地に練りこんである。
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