製菓男子。
「オイ、宮崎」
いきなり肩を後ろに引かれたものだから、僕もしりもちをついてしまう。
藤波は僕を押しのける。
「チヅル、立てるか?」
妹は差し出した藤波の手を肘で避けた。
それは不自然な動きで、ぎこちなく腕が震えている。
妹の髪がまた表情を隠し、言葉だけでなく、態度だけでもなく、全身で拒絶をしている。
「オレが強引に手に触れて立たせるか、それとも自分で立つか、チヅルが決めていいよ」
立つしかない選択肢をオブラートに包んだように、藤波は顔に似合わずやわらかく訊ねた。
藤波の顔はどうみたって野生が溢れている。
「じゃあ、こうしたらいいんじゃないかな」
今まで静観していたミツキが、妹の背後に立って彼女の脇を持ち、すくっと立ち上がらせた。
妹は予想外だったのか抵抗する力がなかったようだ。
「チヅルちゃん、久しぶりだね。俺のこと、覚えてる?」
そのあと「じゃあ行くよ」とミツキは妹の二の腕あたりを掴んで部屋から出す。
妹は足を突っぱねて子供のように反抗していたけれど、ミツキの力が強いのか、妹がひ弱すぎなのか、空しく引きずられている。
いやがる妹を兄の車に乗せて、それを僕たちが見送った。
いきなり肩を後ろに引かれたものだから、僕もしりもちをついてしまう。
藤波は僕を押しのける。
「チヅル、立てるか?」
妹は差し出した藤波の手を肘で避けた。
それは不自然な動きで、ぎこちなく腕が震えている。
妹の髪がまた表情を隠し、言葉だけでなく、態度だけでもなく、全身で拒絶をしている。
「オレが強引に手に触れて立たせるか、それとも自分で立つか、チヅルが決めていいよ」
立つしかない選択肢をオブラートに包んだように、藤波は顔に似合わずやわらかく訊ねた。
藤波の顔はどうみたって野生が溢れている。
「じゃあ、こうしたらいいんじゃないかな」
今まで静観していたミツキが、妹の背後に立って彼女の脇を持ち、すくっと立ち上がらせた。
妹は予想外だったのか抵抗する力がなかったようだ。
「チヅルちゃん、久しぶりだね。俺のこと、覚えてる?」
そのあと「じゃあ行くよ」とミツキは妹の二の腕あたりを掴んで部屋から出す。
妹は足を突っぱねて子供のように反抗していたけれど、ミツキの力が強いのか、妹がひ弱すぎなのか、空しく引きずられている。
いやがる妹を兄の車に乗せて、それを僕たちが見送った。