製菓男子。
そんな映像が脳裏に浮かんで、そこから子供が作りやすいお菓子を考えた。
混ぜて、丸めて、焼くだけの、簡単なクッキーを。


だから今、塩谷さんの手に触れてしまったら、わたしは少し先の塩谷さんの未来、そして心を盗み見てしまう。
子供だからいいというわけではないけれど、考えていることが幼い分、まだ、罪悪感が薄れる。


「俺はチヅルちゃんのその力のお陰で、お菓子屋さんになりたいと思ったんだよ。でもそれは、月曜日だった」


月曜日。


月。


MON。


いろいろなカレンダーの「月曜日」という表記が、ストロボのように光り消え、脳裏に焼きついていく。
身体が急速に体温を失っていくのがわかる。
がちがちと歯を食いしばって寒さに耐える。


「げつようびはきらい」
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