製菓男子。
ミツキと僕、そして藤波の母校は若葉農工科学高等学校という職業学校だ。
ミツキと僕は「食品化学科」、藤波は「電子機械科」という科を出ている。
「どうして高校の話するんだ?」
それはと言いかけたところで、掃除を終えた藤波さんが戻ってきた。
藤波さんはふたりの視線を一身に受けて固まっている。
「ああごめん、エイタの話を丁度していたところだったから」
「兄の、ですか?」
「チヅルちゃんが若葉高校に進学したとき、エイタが残念がってたことを思い出してさ」
藤波さんが俯いて、漆黒に濡れる瞳を隠してしまった。
「わたしどうしても兄と同じ高校に行きたくなくて」
「それ、なんとなくわかる。アイツ目立ってたから、覚えてる先生も多いだろうしなぁ」
「それはミツキも同じ」
「んなことないだろ」
「謙遜いらない」
「お前だってそうだったじゃねーか」
「それは気のせい」
ミツキと藤波目当てで休み時間に他科の女子がクラスを見に来るくらいだった。
この代だけミツキが部長を務める陸上部、そして藤波が所属するバスケ部が全国に行ったことも理由のひとつかもしれない。
そのせいか学校全体が浮き立っていて、活気に溢れていたように思う。
ミツキと僕は「食品化学科」、藤波は「電子機械科」という科を出ている。
「どうして高校の話するんだ?」
それはと言いかけたところで、掃除を終えた藤波さんが戻ってきた。
藤波さんはふたりの視線を一身に受けて固まっている。
「ああごめん、エイタの話を丁度していたところだったから」
「兄の、ですか?」
「チヅルちゃんが若葉高校に進学したとき、エイタが残念がってたことを思い出してさ」
藤波さんが俯いて、漆黒に濡れる瞳を隠してしまった。
「わたしどうしても兄と同じ高校に行きたくなくて」
「それ、なんとなくわかる。アイツ目立ってたから、覚えてる先生も多いだろうしなぁ」
「それはミツキも同じ」
「んなことないだろ」
「謙遜いらない」
「お前だってそうだったじゃねーか」
「それは気のせい」
ミツキと藤波目当てで休み時間に他科の女子がクラスを見に来るくらいだった。
この代だけミツキが部長を務める陸上部、そして藤波が所属するバスケ部が全国に行ったことも理由のひとつかもしれない。
そのせいか学校全体が浮き立っていて、活気に溢れていたように思う。